日本昆虫学会発表 2

 昆虫学会は玉川大学で9月16日と17日に行われる.私の発表は2つとも17日である.
引き続き小集会での発表.
卵寄生蜂の雌間闘争について
○三浦一芸(近中四農研・広島大)
卵寄生蜂の雌蜂が寄主をめぐって闘争することはかなり良く知られている.クロタマゴバチだけでも29種以上で雌の攻撃性が認められている(Waage, 1982).この攻撃性は大きく分けて二つのタイプが存在する.寄主卵塊に産卵を始めた個体(占有雌)が寄主卵塊をめぐる闘争で優位な立場にあるタイプとそうでないタイプである.前者はクロタマゴバチ類で比較的良く研究されている(例えば、Ohno (1999)).このタイプの行動の進化は繁殖パフォーマンス、採餌行動や子供の生存率などから詳細に検討されている。もう一方のタイプはツマグロヨコバイの卵寄生蜂Paracentrobia andoi (Ishiil)で観察されている(Miura, 1992).このタイプでは、闘争はほとんどの場合進入雌から仕掛けられる.そして、闘争後再び寄主卵塊へもどってくるのは占有雌であるか進人雌であるかは決まっていない.このタイプの行動についてはほとんど理解されていない.
本講演ではこれまで報告されている雌蜂の攻撃性のタイプを分け、それぞれの繁殖・採餌などを比較することによりP. andoiの雌間闘争について考察を試みる.

久しぶりの行動生態の話である.