日本昆虫学会 in 松本 2 カマキリの性的共食い

もう一つ
 ○三浦一芸(広島大院・生物圏、近中四農研)・渡辺衛介(広島大院・生物圏)「オオカマキリの性的共食い再考」という話を小集会で行う。
 
(渡辺氏撮影)
カマキリは交尾のとき雄が雌に食べられることがよく知られている。まるで都市伝説のようなものだ。身を粉にして雌につくす。なんと心に響くのだろう。しかし、Watanabe et al (2011) Multiple Paternity Within Field-Collected Egg Cases of the Praying
Mantid Tenodera aridifolia. Annals of the Entomological Society of America 104(2): 348-352.でマイクロサテライトで調べたのだが、なんと1卵鞘の中の子供たちは違った父親由来のマイクロサテライトを持っていた。つまり、1卵鞘でさえも雌はいろいろな雄の精子をいろいろ使っているのだ。だから、雄は食べられても自分の精子を使ってくれる保証はない。
 では、なぜ雄は食べられるのだろうか?グールドがThe Flamingo's Smileで述べたようにたまたまなのか?
 渡辺君が非常に面白い結果を出したのでそれについて簡単な数理モデルなどを使って説明を試みる。