水平感染

 卵寄生蜂Trichogrammaの複数の種は共生微生物Wolbachiaに感染し産雌性単為生殖化する。抗生物質でWolbachiaを取り除くとほとんどの系統で両性生殖に戻る。友人のStouthamerさんのMLST解析によればWolbachiaは大きく3つのグループに分かれる。そのグループは同一種でまとまってはいない。また、同一種が複数のグループに出現する。さて、このような状況でWolbachiaはどのようにTrichogrammaに水平伝播したのだろうか?それを説くために今、Trichogrammaの核とmtDNAを大急ぎで解析している。今日はmtDNAのCOI領域のシーケンスを行っている。
 もうひとつ問題がある。これまでは産雌性単為生殖はgemete duplicationで2nに復帰すると言われている。私は一部は減数分裂なしで産雌性単為生殖化していると考えている。これを証明するために年末年始は染色体の経時的変化を観察する予定である。
トビハマキはバクテリアに汎用性の高いプライマーで感染の有無をチェックしたが、何もいなかった(ポジティブコントロールはWolbachia)。