天敵利用研究会

 12月10日〜11日に鬼怒川温泉で開催される天敵利用研究会では
渡部真也(生物研・広島大)・陰山大輔(生物研)・○三浦一芸(近中四農研・広島大)「Wolbachia感染天敵製剤の放飼における生態リスク評価
という題目でお話しをさせてもらう。
 目的はWolbachiaに感染している天敵製剤タイリクヒメハナカメムシが放飼した地域の生態系に影響を与えるかどうかを定量的(集団遺伝学的手法と分子生物学的手法の利用)に解析することである。
 タイリクヒメハナカメムシはWolbachiaに感染している。Wolbachiaの操作は細胞質不和合(CI)である。ヒメトビウンカやショウジョウバエで明らかなようにCIではWolbachia感染個体が分布を拡大していく。そこで、1.天敵製剤タイリクヒメハナカメムシは生態系に影響を与えているのか?、2.もし、与えているのならば大量放飼の直接的影響なのか?、それとも3.Wolbachiaによる影響なのか?を解析している。

 解析は、放飼区と無放飼区の遺伝的多様性の比較はAMOVA(Arlequin)、野外からの採集個体が生物農薬由来の可能性があるかどうかはアサインメントテスト(Gene Class 2)、ハプロタイプネットワークはTSC1.21、遺伝的構造はSTRUCTUREで解析した。また、放飼天敵の直接的影響かそれとも感染Wolbachiaの影響かは中立テスト(Arlequin)で行った。

 是非お聴きしていただきたく思います。