Dr Andrew Davies

 うちでポスドクをしていたAndrewからうれしい知らせが来た.

新しい命が誕生したそうだ.名前はElla.彼はうちのポスドクを終えた後,USDAに行った.しかし,出産のためにオーストラリアに戻った.手紙では非常に残念な由が書かれていた.
 うちではTrichogrammaとWolbachiaの関係をテーマにしていた.
ただ,うちでの最初の論文は
Andrew P. DAVIES, Kenji TAKASHINO, Masaya WATANABE and Kazuki MIURA(2010) Parental genetic traits in offspring from inter-specific crosses between introduced and indigenous Diadegma Foerster (Hymenoptera:Ichneumonidae): Possible effects on conservation genetics. Applied Entomology and Zoology 44: 535-541.
である.これは外来種Diadegma semiclausumというコナガの寄生蜂を放飼すると土着種D. fenestraleと雑種ができてしまうということをDNAを解析することによって明らかにしたものである.交雑実験で雌の子どもができれば,通常雑種ができたと考えられる.しかし,精子卵子を刺激するだけで胚子発育が始まり,産雌性単為生殖で子どもができる可能性がある.これをgynogenesisという.だから,子どもの核が両親から来ていることを明らかにしなければ本当の意味で雑種ができたことを確かめたことにならない.
 同様なことを確かめた論文で,私は
YOSITAKA SAKAMAKI, KAZUKI MIURA AND YUCHENG CHI (2005) Interspecific Hybridization Between Liriomyza trifolii and Liriomyza sativae. Annals of the Entomological Society of America 96: 470-476.
も発表している.